熊野古道に行きたいけれど、
精神が疲れていて気力と体力が無く体調が万全でない、
そんなあなたへオススメするお手軽入門編です。
はらいたでも行けました!
「熊野古道」・・・その響きに惹かれて数年、
精神を浄化してくれるなにかがあるのでは?
だから、退院したら熊野古道に行きたくて、
入院と手術から学んだ「いつかやりたいは今のうちに」と
体調万全でなくても行くことに・・・
退院後1ヶ月で、まだやせ細っていますし、
お腹が痛くなってからトイレに行くまでの時間も短くて
トイレがない場所を歩くには緊張感たっぷり、
それでも入院中に何度も夢に出てきた熊野古道に行ってみたい。
「王子」の意味が一時の休息を与える神社の跡とも知らず、
熊野古道の複雑なルートがあることも認識しておらず、
準備のために調べるうちに何処から何処へと混乱しつつ、
最終的に熊野本宮大社を目指せば何かがあるだろうという発想で計画したのです。
熊野古道のルートを考える
熊野古道はいろいろなルートがあり計画をするにも分かりにくい場所。
歩く距離や、日数、宿泊場所など選択肢が多すぎて計画を建てるのが難しく、
これまで行きたいと思いながらも先延ばしにしてたのです。
でも、手術と長期入院で長時間歩くことができなくなり、
今のうちでないと、熊野古道に行けなくなるかもという恐れを持ち、
結果的に今まで悩んでいたルートがあっさりと決められました。
とにかく熊野古道ルートの最終目的地であろう熊野本宮大社に向かおうと決めたのです。
はじめにルートを考えたときは、私の中の熊野古道のイメージの場所である白浜駅を目指そうとしたのですが
ネットで「熊野本宮大社行き バス」で検索すると紀伊田辺駅が便利なようで、
駅前にホテルもあり、熊野本宮大社へのバス乗車時間も90分程度と白浜より30分も短縮されるので紀伊田辺駅を起点にすることに決めました。
熊野古道へ出発(1日目)
今回の旅は日・月・火の二泊三日で、日曜日と火曜日は移動日で中の一日が熊野古道ツアーで、無理せずに時間を贅沢に使う旅行です。
新大阪駅から特急くろしお号に乗り紀伊田辺駅を目指します!
紀伊田辺駅の観光案内所で情報入手
紀伊田辺駅に到着し、観光案内所に入り熊野古道の地図やバスのルートをチェックしていると、外国人旅行者が数グループ入ってきます。
案内の方は普通に英語で対応していて外国からの訪問者の多さがうかがわれ、
さすが世界遺産に登録された熊野古道の入り口の街です。
ただ街の閑散とした雰囲気と、数グループいる外国の方々が何だかミスマッチに感じるのは私だけでしょうか?
ホテルハーベスト南紀田辺に宿泊
天気予報をチェック、明日は晴れのようで一安心、雨の中を山道を歩くには体力も装備も今はないのです。
ホテルハーベスト南紀田辺の夕食はコースしか頼めない(ひとりだと約5000円〜)、
売店には梅干しと、パンと、カップラーメンくらいしかなく、コンビニは近くにローソンが有るけどルートに歩道がないので車がないと危険で行けない。
しかしメイン通りからホテルに入る場所に海鮮ファミレス、うどん屋さん、ピザイタリアンがあり、歩いて5分で行けるのでうどん屋さんで夕食です。
熊野古道に向けて出発(2日目)
ホテルハーベストからタクシーで南紀田辺駅へ移動して駅前のバス乗り場へ。
熊野本宮大社行きの快速バスは路線バスですが観光タイプで前向きのシートが四列タイプ。90分間路線バスに乗るのは今の身体にキツいので助かります。
バス内にトイレは予想どうり付いておらず、90分トイレに行けないので最悪は漏らしても良いように「大人のおむつ」装備してきてよかった。
じつは、途中の「なかへち美術館前」で路線バスだけどトイレ休憩がありました。トイレは屋外公衆便所系ですが、ウォッシュレット付きの誰でもトイレも有り。
熊野本宮大社で快速バスを降りて「伏拝口」まで
熊野本宮大社で快速バスを降りて、ローカルな路線バスに乗り換えて伏拝口(ふしおがみぐち)まで移動。伏拝口から熊野本宮大社までは約3kmの熊野古道を歩けます。
熊野古道を歩く人はメインルートの出発口発心門王子まで行くようで降りたのは私一人だけでした。発心門王子からだと歩行距離が7Kmと倍近くになるので、長時間歩けない私は中間地点ので降りたのです。
伏拝口から歩く観光客は少ないようで看板がありません。バスを降りてどちらに行けばよいのか迷っていると運転手さんが「その坂を登っていけば古道にでるよ」と教えてくれました。
坂の舗装路を進むと普通の民家のある道路で、ここが熊野古道という感じはゼロです。通りの民家に無人販売所発見、和歌山らしく梅干しがあり200円で購入、バスでお札を両替してよかった。
ウグイスが静かな中でとても良く聞こえる綺麗な声で鳴いていて、入院で疲れた神経を癒やしてくれます。
少し歩くとトイレまであと450メーターの看板
バス停から1キロくらい歩くとやっと本格的な古道になり、熊野古道らしくなってきます。
伏拝茶屋で休憩
熊野古道は想像していたより坂が多く汗ばむくらいです。
伏拝茶屋で休憩しシソジュース(200円)を飲むと、さっぱりしていて汗をかいた身体に良い。茶屋の休憩所建物は真新しく感じられ、トイレも非常に綺麗です。
熊野古道らしい道を歩く
茶屋を出ると杉の木が鬱蒼と茂っていて、より古道らしくなってきました。
けっこうな下り坂です、杖ではキツそう。階段が段差が大きいところが結構ある、足の関節がシッカリと動かないとキツイ場所が多い。
杉の林の中を歩く普通の日本の山道で、昼の明るい時間だからか神聖さはそれほどには感じません。
歩いていると「自由人」だなあと脳裏によぎる感覚、「今の時間、月曜日は多くの人が会社で働いているなあ、でも俺も働いている、働くという定義が誰かのために何かをすることであるなら、この旅の記録が誰かの役に立てば働いているのだ・・・」などとぼんやり考えながら古道を進みます。
下りばかりで結構きつく膝が痛くなりそうなくらい、そして足元を注意して見るので景色を見られない。
三軒茶屋跡から熊野本宮大社へ
三軒茶屋は建物がキレイで、にんにくや梅干しを販売しているが荷物が重くるので購入は断念。トイレは水を使わずおがくずで排泄物を処理する「バイオトイレ」で、最近設置したのだろうか、とても綺麗。
ここから熊野本宮大社まで2.1kmが遠く感じる、まだ1.5kmくらいしか歩いていない。
入院明け10日の体力は想像以上に無く、でもまた再発して入院になることも考えると今来なければならなかったと自分に言い聞かせます。
登りもあり、そして下りが続く、だんだんと開腹手術した腹筋が疲れて・・
そして、何故か歩きがら過去の判断を覆したいという発想ばかりが脳によぎり、未来に向かって次は何しようとは考えず、聖域を歩いても心は浄化されてこない。
滑って転ぶのが怖くなる石の下りすすみ、太ももの筋肉が下りばかりで泣き始めた頃に、やっと舗装路に!
熊野本宮大社にやっと到着
とうとう熊野本宮大社に到着!
入院明けのからだには3.5kmの山道はとてもキツかった。
熊野本宮大社からバス停に向かう道は強烈な下り階段で手すりを持たないと怖いくらい。トボトボと下っていると、私よりもはるかに高齢の方々に抜かされていき、私の体調は良くないんだなと変に納得です。
熊野本宮大社前の通りの「ほんぐうカフェ」でランチをしてバスを待つことに。帰りも90分のバス乗車です。
おわりに
念願の熊野古道を歩けてほんとに良かった。
聖域だからもっと車でも来れないようなジメジメして暗い場所と想像していたけど、明るくて車でも来れる場所でした。きっと本格的な熊野古道ルートを歩くと厳しい場所だと思いますが、この短いルートでも熊野古道を歩いたという実感をしっかりと得れるものでした。
聖域での心の変化は特になかったけれど・・・・
おまけに移動のタイムスケジュールを載せておきますので、退院後に体調が万全でないあなたの役に立てば嬉しいです。
07:30 ホテル発(タクシー) → 7:45紀伊田辺駅
08:02 紀伊田辺駅発(明光快速バス) → 9:37 熊野本宮大社前着
10:10 熊野本宮大社前(龍神路線バス) → 10:18伏拝口バス亭着
10:10 熊野古道を歩く(伏拝口→伏拝王子→三軒茶屋後→祓殿王子→熊野本宮大社)
13:00 熊野本宮大社着して昼食休憩
14:37 熊野本宮大社前発(明光快速バス)→ 16:10 紀伊田辺駅着
16:40 紀伊田辺駅発(ホテルハーベスト送迎バス)→ 16:55 ホテル着
ホテルハーベスト南紀田辺泊